週刊新潮の H17年10月20日号、及び、10月27日号の2号に亘り、下記タイトルの緊急レポート(計8頁)が掲載された。 何れも、ノンフィクションライター・森功氏のレポート。
【各号より 下記 “抜粋”記載。
詳細については、各号を参照下さい。】
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◆H17年10月20日号のタイトル:
「水道」が危ない!
「アスベスト」より危険な水道の「発ガン性塗料」
書き出し; 海外旅行では飲料水に注意を払っても、日常、自宅で飲んでいる水道水には、ほとんどの人が何の不安も抱いていないだろう。が、実は、日本全国の水道管には、長年、発ガン性物質を含む塗料が使われていた。アスベスト同様、WHOの勧告を受けながら野放しにされてきた“水道水”の危険な実態を、ノンフィクションライターの森功氏が抉り出す。
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ライニング工事会社の会長の話し; 「地中の配水管から各家庭やマンションへ水道水を供給していますが、それがサビないよう、定期的に管内をフラッシングし、塗料を塗り替える。だが、それまで使用してきたタール系塗料に発ガン性があると指摘され、新たな塗料によるライニング工法の開発を余儀なくされたのです」
やや専門的な話になるが、ライニングの塗料はエポキシ樹脂。主剤と硬化剤に分かれており、それらを混ぜ合わせたあと、管の内側に塗り固める。硬化剤は分子構造上、脂肪族系と芳香族系の二つの種類があり、芳香族系の硬化剤の方が扱いやすいことから、もっぱらこちらが使用されてきた。が、まさにその芳香族系の硬化剤に、発ガン性物質が含まれていたのだ。
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(以下次号)
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◆10月27日号のタイトル:
「赤い水」「青い水」を放置してきた「行政の大罪」
ライニング工事会社の社長の話し; 「エポキシ塗料は固まると表面がかちんかちんになり、耐久性があると思い込んできた。だが、固まったはずの塗料が5年もたたないうちにベトベトになり、水に溶けて色がついて流れ出てくるものも少なくない。 (※ これが、タイトルに有る「赤い水」、「青い水」のこと。)
その一つを水質検査にまわしたところ、環境ホルモンのフェノールだけでなく、アミンまで検出されました。ライニングは、15年もやってきた仕事でした。だから、誇りも持ってきましたが、こんなことならもはや続けられない。それで、6年前、この仕事を廃業したんです。」
これが問題のコールタール系エポキシ塗料に含まれる芳香族アミン。その危険性については、前号で触れたが、紛れもない発ガン性物資なのだ。 ・・・・・・・・・・
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「水道管のライニングが始まったのは、70年代後半ですが、これを積極的に推し進めてきたのが建設省でした。その工法について基準を設けたのが82年。水道管の赤サビ問題に対し、管そのものを取り替えるのではなく、塗りなおせば半永久的に使える、として、工法の技術について基準を設けたのです。それを民間の建物にも広めるため、まずは官公庁や自治体の建物、さらに病院や公立学校に推進していったわけです」
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コールタール系塗料に発ガン性があるとして、WHOから勧告があったのが、この技術基準が設けられた2年後の84年のこと。
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厚生省による発ガン性塗料の規制は、そこからさらに2年遅れた89年のことである。
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NPO法人事務局長の話し; 「コールタール系塗料は、もう水道管に用いられていないもの、と思ってきました。あの頃、コールタールについては、厚生省もあっさり有害性を認めた。だから、我々としても、その後ビスフェノールAに代表される水道管塗料の有害な環境ホルモン問題を追求してきたのです。それが建物の中とはいえ、いまだに使われていたなんて、驚きです。いくら建物の給水管が建設省の所管だといっても、地中の水道管と直接つながっている。なのに、厚生省はなぜ建設省にきちんとこの問題を伝えなかったのでしょうか」
さしもの建設省も93年に、使用塗料について厚生省の定めた規定に従うよう、基準を変えたが、それも形ばかり。その結果が、水道管から漏れ出す「青い水」や「赤い水」なのだ。
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ある大手マンション施工・管理会社の担当者が打ち明ける。 「コールタール系塗料を使った水質検査では、(発ガン性のある)芳香族アミンが検出されます。・・・・・・・。しかし、これについてはマンションの理事会議事録にこそ記載しましたが、他の住民には知らせていません。 ・・・・・・・・・。住民に不安を与えてはいけませんから」。
「住民を騙すつもりは毛頭ありません。ですが、もし費用のかかる別の工事をして管理契約を解約されると困る。もともとライニングのやり方や塗料の安全性は、我々ではどうしようもない問題です。しかし本音を言えば、戦々恐々としています。アスベストのように、この先マンションの住民から、危険を知りながら放置していた、と迫られるのではないかと」
むろん、業者も行政当局と同罪。その罪は限りなく大きい。 (了)